2013年5月28日火曜日

3、なぜ不動産会社によって査定金額が違うのか?

一戸建ての売却を検討するときには、1つの会社だけに査定を依頼しないで必ずいくつかの不動産会社に査定の依頼をしたほうが良いです。

不動産業界というのは大きなお金が動くため、昔は怪しい人の多かった職業でした。今ではだんだんと法律的に整備されてきたり、業界がしっかりとしてきたこともあり良い会社も増えましたが、まだまだ昔ながらの商売のやり方で適当な人も多くいます。

1社だけに売却以来をすると、査定の金額も裏付けが乏しいので複数の会社に依頼した方がより正確な金額を出すことが出来ます。

では、どうして不動産会社によって査定金額に差が出るのでしょうか?

理由の1つは不動産というものは市場によって価格が決まるものであり、値付けが自由にできる一点ものの商品なのでなかなか同じ金額にはならないということです。

古本やゲームソフトなどは同じ物が大量にあるため、中古の値付けは誰でもデータを活用すればできますが、不動産の売却価格をある程度正確に出すには経験が必要です。

その経験の差や個人の感覚などによって金額に差が出るのです。

そして、もう1つ大きな理由は「なるべく高く査定を出そうとする心理」があるからです。

僕が不動産業界に入ったころ、ある戸建て住宅の売却の査定を頼まれました。そして、いろいろと調べたりして金額を出しましたが、その戸建て住宅は後ろにかなり危険な崖があったため査定金額を低めに出しました。

依頼してきた方はもちろん他の不動産会社にも査定を依頼していたみたいで、結局売却の営業活動は他の不動産会社に持って行かれてしまいました。

理由は簡単で、「他の不動産会社はより高い査定価格を提示してきた」からです。

もし、あなたが一戸建てを売ろうと思っていくつかの不動産会社に査定を依頼して、出てきた結果がバラバラだったら一番高く査定をしてくれたところに売却の依頼をしませんか?

僕は、業界にまだ入ったばかりだったので、そんな駆け引きは知らず普通になるべく正確な金額を出そうとした結果、他の不動産会社にお客さんを取られてしまいました。

他の会社は不動産業界に慣れた人がいたので、普通に出す査定よりちょっと高めにお客さんに話しをしたのです。そうすることによってお客さんは少しでも高く売りたいので、ちょっと高めに査定をしてくれたところに依頼する傾向があります。

査定結果が高いからと言って必ずしもその金額で売れるとは限りません。その不動産屋もそれはわかっています。しかし、最初に売却を依頼されることによって、お客さんを自分のところに囲い込み易くなりますし、最初に依頼されれば一戸建てを買いたいという自分のお客さんに物件を紹介できるようになります。

しかも、その査定の金額で初めから売ろうとは思ってません。そういう会社は、お客さんに「資料にはこの金額で書いてありますが、実際にはここまで下がると思うのでオススメです。」と、結局安い金額を裏で提示して紹介しているのです。

そうして、お客さんが買いたいと言ってきたら売り主には、「いろいろと紹介したけど、やはり崖があるのがネックになってなかなか反応が良くありません。しかし、なんとかこの金額なら買ってくれるという人が見つかりました。こういう機会は巡り合わせで、これも何かの縁ですのでこの機会に売却を決めたらどうですか? 次にお客さんが見つかる保障はないので。。」と、強引に売却させようとするところもあります。

結局、高く査定結果を出してもらっても安く売ることになるのです。そういう不動産屋はもともと高く売るつもりはないですからね。

もちろん、中にはしっかりと査定して、なるべく高く売ってあげたいという気持ちで、この金額までがんばって買い主を探してきますという会社もあります。


査定結果が高いからと言って実際に高く売れるわけではないということを覚えておいてください。

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